ジンジャーの法定内残業時間の集計は2通りの方法があります。
・スケジュール軸
・労働時間軸
こちらのページでは「労働時間軸」の法定内残業時間について説明します。
スケジュール軸についてはこちらをご確認ください。
異なる週での振替休出と振休の取得
同一週内で振替休出と振休取得
休暇の時間計上:設定しない
休暇の時間計上:設定する かつ 休暇の残業時間考慮:設定しない
休暇の時間計上:設定する かつ 休暇の残業時間考慮:設定する
計算ロジック
労働時間軸の法定内残業時間は、以下のロジックで計算されます。
- 1日あたり、所定労働時間を超える勤務で、法定外残業時間ではない時間
- 週もしくは月超法定外残業時間と重複しない時間
- 該当週の不足労働時間だけ減算
- 振替休出・時間外休出の日は所労働時間定0として集計
所定労働時間と勤務時間について
法定内残業時間の計算時に使用する所定労働時間と勤務時間の集計には、休暇の時間計上設定が関わっています。
どちらの設定となっているかご確認ください。
設定箇所:従業員設定>就業規則設定>編集>[集計]タブ>休暇の時間計上設定
休暇の時間計上:設定しない または
休暇の時間計上:設定する かつ 休暇の残業時間考慮:設定しない
所定労働時間 | スケジュールから算出した所定労働時間 - あらゆる休暇の消化時間 |
---|---|
勤務時間 | 休暇の時間を含めない勤務時間 |
休暇の時間計上:設定する かつ 休暇の残業時間考慮:設定する
所定労働時間 | スケジュールから算出した所定労働時間 - 振休/代休/無給の特別休暇の消化時間 |
---|---|
勤務時間 | 休暇の時間を含めた勤務時間 |
例:午前半休を取得して午後から勤務を開始した場合の所定労働時間と勤務時間
スケジュール | 9:00 - 18:00(休憩13:00 - 14:00) |
---|---|
休暇(半休) | 9:00 - 13:00 |
実績 | 14:00 - 18:00 |
休暇の時間計上:設定しない
休暇の時間計上:設定する かつ 休暇の残業時間考慮:設定しない
所定労働時間は休暇の時間を含まないため4:00です。
勤務時間は休暇時間を含まないため 14:00 ~ 18:00の4:00 です。
休暇の時間計上:設定する かつ 休暇の残業時間考慮:設定する
<半休が有給休暇、特別休暇(有給)の場合>
所定労働時間はスケジュールから算出した時間になるため 8:00 です。
勤務時間は休暇の時間を含めるため 8:00 になります。
<半休が振休、代休、特別休暇(無給)の場合>
所定労働時間は、スケジュールの時間から休暇の時間を除くため 4:00 です。
勤務時間は休暇の時間を含めるため 4:00 です。
集計例
集計例でご紹介するケースは、全て以下の設定がされている状態とします。
勤務形態 | 通常 |
---|---|
1日の所定労働時間 | 8:00 |
週の所定労働時間 | 40:00 |
所定休日の残業時間計上 | 設定する |
締め日を跨いだ際の残業時間(週超過)の計上方法 | 設定する |
週の起算曜日 | 日曜日 |
締日 | 31日 |
遅刻早退
スケジュール | 9:00 - 18:00 |
---|---|
実績 | 11:00 - 21:00 |
総労働時間 | 8:00 |
法定内残業時間(労働時間軸) | 0:00 |
法定内残業時間(スケジュール軸) | 2:00 |
法定内残業時間(労働時間軸)
「1日あたり、所定労働時間を超える勤務で、法定外残業時間ではない時間」が
法定内残業時間として計上されるようになっています。
1日の所定労働時間は8時間としているため、2時間の遅刻が発生すると
18:00まで労働を行っても不足時間が2:00発生します。
18:00 - 20:00までの勤務を行っても、遅刻分の2:00の不足を補うことになるため
法定内残業時間としてはカウントされません。
法定内残業時間(スケジュール軸)
「スケジュールが設定されていない時間帯の勤務」が残業時間として計上されるようになっています。
上記例の場合は、総労働時間が8:00で法定外残業時間は発生していないため、
スケジュール外の2時間は法定内残業時間として計上されます。
日の不足労働に対する打ち消し
法定内残業時間(労働時間軸)
労働時間軸の法定内残業時間は「該当週の不足労働時間だけ減算」されるため、
1週間内に日の不足労働時間と週の法定外残業時間が発生した場合、
日の不足労働時間分だけ法定内残業時間が発生しません。
上記例においては、火曜に早退(1:00)したことで不足労働時間が発生し、
金曜までの法定内労働時間は39:00になっています。
※法定内労働時間 = 総労働時間 - 総法定外残業時間 - 法定休日労働時間
土曜日の勤務において、打ち消しを行う前段階では
法定内残業時間 1:00(週の所定労働時間40:00までの不足時間)
法定外残業時間 7:00
となりますが、日の不足労働時間が発生してたため打ち消しが発生し、
法定内残業時間 0:00 になります。
最終的には以下の時間が計上されます。
法定内残業時間 0:00
法定外残業時間 8:00(水曜の1:00 + 土曜の7:00)
土曜の勤務が1:00のみの場合、週の所定労働時間(40:00)未満の労働となり
法定内残業時間1:00が計上されます。
法定外残業時間が発生していないため、不足労働時間分の打ち消しは発生しません。
法定内残業時間(スケジュール軸)
スケジュール軸の場合、スケジュール時間に対しての不足労働時間は
他の日の残業時間では打ち消されることはありません。
火曜に早退(1:00)したことで、金曜までの法定内労働時間は39:00となり、
残りの1:00分については法定内残業時間として計上されます。
最終的には以下の時間が計上されます。
法定内残業時間 1:00
法定外残業時間 8:00(水曜の1:00 + 土曜の7:00)
振替休出
振替休出を利用した際の集計例をご案内します。
※こちらでは給与計算時の注意点を主にご案内しています。
異なる週での振替休出と振休の取得
法定内残業時間(労働時間軸)
法定内残業時間(スケジュール軸)
5/7の土曜に休日出勤を行っていますが、月曜~金曜で40:00働いているため
勤務時間のすべてが法定外残業時間として計上されます。
第1週の計算で、週40超の法定外残業8時間が発生
第2週の計算で、振休取得により1日分(8:00)の日給控除が発生
いずれの週も、法定内残業時間は0:00
時給単価1,000円とした場合
1,000円 × 8:00 × 1.25 = 10,000円(法定外残業時間分)
△1,000円 × 8:00 = △8,000円(振休取得分)
最終的に振替休出時の25%割増分(+2,000円)が残ります。
上記から、異なる週での振替休出と振休の取得を行った際は、
ジンジャーで算出される値を使用して給与計算を行うことができます。
同一週内で振替休出と振休取得
異なる週での振替休出と振休取得については、給与計算を行う上で
振替休出に対して125%の支給、振休取得に対する100%の控除が行う必要があります。
同一週内で振替が行われた場合は、下図の通り法定外残業時間が発生しません。
更に、スケジュールが登録されることにより、スケジュール軸の法定内残業時間も発生はしません。
仮に同一企業の中で同一週内と別の週での振替休出・振休取得が行われた場合、
そのどちらも一つの勤務データの出力で正しい給与計算を行うことができませんでした。
法定内残業時間(スケジュール軸)
別の週での計算ロジックと同様に計算を行うと、以下の通りです。
所定労働時間40:00に対する勤務時間40:00
法定内残業時間は0:00
法定外残業時間は0:00 のため、追加の支給金額は0円です。
ただし、振休を取得しているため、1日振休取得分(8:00)の控除が発生します。
時給単価1,000円とした場合、
△1,000円 × 8:00 = △8,000円(振休取得分)
最終的に振休取得分の100%控除1日分(8:00)が残り、未払いの可能性が発生します。
法定内残業時間(労働時間軸)
振替休出日は所定労働時間は0:00として計算し、すべての勤務を残業時間(法定内または法定外)として計上します。
こちらは、スケジュール軸で対応できなかった集計に対応するためです。
同一週内での振替の場合
法定内残業時間は8:00
法定外残業時間は0:00
時給単価1,000円として
1,000円 × 8:00 = 8,000円(法定内残業時間分)
△1,000円 × 8:00 = △8,000円(振休取得分)
上記を合算すると±0になります。
※別週で振替を行った場合は法定外残業時間が発生しているため、
振替休出日の所定労働時間を0:00とした場合でも法定内残業時間は計上されません。
週初めの法定内の打ち消し(月跨ぎ)
法定内残業時間(労働時間軸)
日曜の勤務時間は8:00ですが、1日あたりの所定労働時間(8:00)を超過していないため
法定内残業時間には計上されず、普通労働時間として計上されます。
週の途中で月跨ぎある月の締め処理は、該当週の勤務が完了してから行ってください。
労働時間軸では1週間の勤務実績を元に法定内残業時間の打ち消しを行っているため、
週の労働が完了していない状態で締め処理を行うと
残業時間の打ち消しが発生せず、法定内残業時間が多く集計される場合があります。
上記例の場合、4/4(木)に締め処理を行ってしまうと打ち消しが発生せず
3/31(日)に法定内残業時間が4:00発生します。
法定内残業時間(スケジュール軸)
14:00 - 18:00の勤務はスケジュールの時間外かつ1日あたりの所定労働時間(8:00)未満の
労働時間のため法定内残業時間として計上されます。
休暇利用
休暇の時間計上:設定しない
休暇の時間計上:設定する かつ 休暇の残業時間考慮:設定しない
法定内残業時間(労働時間軸)
所定労働時間=スケジュールから算出した所定労働時間 - あらゆる休暇の消化時間
となるため、月曜~金曜の所定労働時間は4:00になります。
14:00 - 18:00で4:00の勤務を行ったことになるので、18:00-20:00までの2:00の勤務は
スケジュールの所定労働時間以上・従業員情報で設定している所定労働時間(8:00)未満となるため、
法定内残業時間として2:00が計上されます。
法定内残業時間(スケジュール軸)
休暇の時間は勤務時間に計上しない、または計上をしても残業時間の計算時には含めない設定のため、
残業時間の計算対象となる労働時間は4:00です。
スケジュールの時間外かつ所定労働時間未満の労働時間となり残業分は法定内残業時間として計上されます。
休暇の時間計上:設定する かつ 休暇の残業時間考慮:設定する
法定内残業時間(労働時間軸)
法定内残業時間(スケジュール軸)
この設定の場合、労働時間軸とスケジュール軸のいずれも集計値に違いはありません。
<月曜、火曜、金曜>
有給休暇・有給の特別休暇の時間は勤務時間に計上され、かつ残業時間の計算対象になる設定のため、
月曜、火曜、金曜の勤務時間は10:00で、法定内残業時間は発生しません。
<水曜、木曜>
振休・代休については休暇の時間計上設定の適用対象外のため、振休・代休の取得時間は
勤務時間にも計上されず、残業時間の計算対象にもなりません。
実際の勤務時間のみを考慮するため、普通労働時間4:00、法定内残業時間2:00として計上されます。
結果の集計値は同じですが、内訳は以下のように異なっています。
<労働時間軸>
所定労働時間 = スケジュールから算出した所定労働時間 - 振休/代休/無給の特別休暇の消化時間
のため、所定労働時間が4:00となり、4:00以上8:00未満の勤務は法定内残業時間に計上されます。
<スケジュール軸>
スケジュール外の労働かつ所定労働時間未満(8:00)のため、法定内残業時間に計上されます。