ジンジャーの法定内残業時間の集計は2通りの方法があります。
・スケジュール軸(※)
・労働時間軸
※ 就業規則設定 >集計タブ >法定内残業時間の計上方法「時間でみる」の項目を
「スケジュール軸」として本ページでは表記し説明します。
なお、本ページは「スケジュール軸:パターン2」の法定内残業時間について説明します。
計算ロジック
「スケジュール軸:パターン2」の法定内残業時間は、以下のロジックで計算されます。
・「スケジュール軸:パターン1」で計算された結果を使用する
・日の法定内残業時間について、週もしくは月の法定外残業時間と重複する時間を減算
・減算の対象から、不足労働時間分を除外
・振替休出・時間外休出の日は所労働時間「0時間」として再集計
計算ロジックの背景
法定内残業時間(労働時間軸)
法定内残業時間(労働時間軸)は給与計算時、
同一の時間に対する支給と控除を行わないように設計されています。
法定内残業時間(労働時間軸)に関する集計ロジックはこちら
例
項目 | 時間 |
---|---|
スケジュール | 10:00~19:00(休憩1:00) |
実績 | 12:00~21:00(休憩1:00) 実績は8:00です。 |
不足労働時間(労働時間軸) | 0時間 |
法定内残業時間 | 0時間 |
法定内残業時間(スケジュール軸)
法定内残業時間(スケジュール軸)については、
給与計算時に同一の時間に対する支給と控除を行うように設計されています。
例
項目 | 時間 |
---|---|
スケジュール | 10:00~19:00(休憩1:00) |
実績 | 12:00~21:00(休憩1:00) 実績は8:00です。 |
不足労働時間(スケジュール軸) | 2時間 |
法定内残業時間 | 2時間 |
そのため、不足労働時間分は法定内残業時間が相殺されません。
申請承認済法定内残業時間などの集計項目はパターン1の計算結果を使用しています。
現在、パターン2の計算結果は反映できませんのでご注意ください。
集計例
集計例で紹介するケースは、全て以下の前提条件を基に説明します。
項目 | 設定内容 |
---|---|
勤務形態 | 通常 |
1日の所定労働時間 | 8:00 |
週の所定労働時間 | 40:00 |
所定休日の残業時間計上 | 設定する |
締め日を跨いだ際の残業時間(週超過)の計上方法 | 設定する |
週の起算曜日 | 日曜日 |
締め日 |
31日 |
例)同一週内での所定労働時間外の勤務
下記の各ケースは同一週内の集計イメージです。
ケース1 週の後半で法定外残業時間が発生した場合
ケース2 週の前半で法定外残業時間が発生した場合
前提として、ジンジャーで集計される値は、以下の計算を想定した作りとなります。
※ポイント内の下記例は上記表の内容とは別の例です。
例)
所定労働時間:7:00
勤務時間:10:00
法定内残業時間:1:00
法定外残業時間:2:00 の場合
※時給単価1000円の場合とします。
A)日給月給制の場合、固定賃金への加算と減算を行います。
計算式:固定給 + 1000円×1時間 + 1250円×2時間(固定給7000円+3500円)
B)時給制の場合、100%支給と割増賃金の加算を行います。
計算式:1000円×10時間 + 250円×2時間(時給10000円+割増500円)
上記計算式から、法定内残業時間は主に月給制の計算式で使用される想定になっています。
上記表通りに勤務した場合、法定内残業時間(スケジュール軸)で集計される値は下記の通りです。
所定労働時間:40:00
勤務時間:44:00
法定外残業時間:4:00
となります。
ケース1とケース2の違いは所定労働時間外の勤務をどのタイミングで行ったかです。
■ケース1は週の後半で法定外残業時間が発生する勤務をしています。
法定内残業時間と法定外残業時間が重複して発生している場合
法定内残業時間が計上されないように処理されているので、法定外残業のみが計上されます。
■ケース2は週の前半で法定外残業時間が発生する勤務をしています。
法定内残業時間と法定外残業時間が重複して発生している場合
同一週内に発生した法定外残業時間分と同じ時間数分の法定内残業時間を打ち消します。
実際に計算をすると下記の通りとなります。
計算式:所定外労働4時間×1000円 + 時間外労働4時間×1000円×25%
ただし、上記で記載した通り、ジンジャーでは法定外残業時間として計算する想定で設計しています。
そのため、「スケジュール軸:パターン2」では日曜日の法定内残業時間を打ち消す処理を行いました。
例)法定内残業時間の打ち消し対象外
こちらも、主に月給制の方を対象に加算と減算で考えた際、以下の集計を想定しています。
所定労働時間: 40:00
法定外残業時間: 8:00
不足労働時間(スケジュール軸): 2:00
法定内残業時間(スケジュール軸): 2:00
ここで日曜日の法定内残業時間を打ち消してしまうと、
所定労働時間40時間に対して48時間勤務しているにも関わらず、
最終的に支給される100%分の賃金が6時間分となり、未払いにつながってしまう可能性があります。
そのため、今回の打ち消しの処理では、不足労働時間が発生した場合、
不足労働時間と同じ分の法定内残業時間は打ち消しを行いません。
不足労働時間分を対象外とする処理は、勤務形態の設定によって異なり、
同日だけではなく同週・同月を対象とする場合があります。
勤務形態が通常/裁量労働時間制の場合
ー 週超法定外残業と同週内の不足労働時間
変形労働時間制の場合
ー 週超法定外残業/同週内の不足労働時間/月超法定外残業/同月内の不足労働時間
例)同一週内で振替休出と振休取得
異なる週での振替休出と振休取得については、給与計算を行う上で
振替休出に対して125%の支給、振休取得に対する100%の控除が行う必要があります。
同一週内で振替が行われた場合は、下図の通り法定外残業時間が発生しません。
法定内残業時間に関して、パターン1では発生せず、パターン2では発生します。
そのため、仮に同一企業の中で同一週内と別の週での振替休出・振休取得が行われた場合に
1つの勤務データの出力にて正しい計算を行う場合は「パターン2」を設定ください。
スケジュール軸(パターン1)の場合
上記表のように、週の所定労働時間「40:00」、勤務時間が「40:00」の場合
法定内残業時間:0:00
法定外残業時間:0:00
となるため、追加の支給金額は0円と発生しません。
ただし、振休を取得しているため、1日振休取得分(8:00)の控除が発生します。
時給単価1,000円とした場合、
△1,000円 × 8:00 = △8,000円(振休取得分)※△は「-」です。
最終的に振休取得分の100%控除1日分(8:00)が残り、未払いの可能性が発生します。
スケジュール軸(パターン2)の場合
パターン2では労働時間軸と同様の処理を適用しています。
そのため、振替休出日は所定労働時間は「0:00」として計算し、
すべての勤務を残業時間(法定内または法定外)として計上します。
こちらは、パターン1で対応できなかった集計をすることが可能です。
週の所定労働時間「32:00※」、勤務時間「40:00」の場合
※振替休出を行った日の所定労働時間は「0:00」となるため。
法定内残業時間:8:00 (※振替休出をした日に発生しています。)
法定外残業時間:0:00
となります。
時給単価1,000円とした場合、
1,000円 × 8:00 = 8,000円(法定内残業時間分)
△1,000円 × 8:00 = △8,000円(振休取得分)※△は「-」です。
上記を合算すると±0になります。
例)週初めの法定内の打ち消し(月跨ぎ)
スケジュール軸(パターン1)
14:00 - 19:00の勤務はスケジュールの時間外かつ1日あたりの所定労働時間(8:00)未満の
労働時間のため法定内残業時間として計上されます。
スケジュール軸(パターン2)
日曜の勤務時間は「8:00」ですが、1日あたりの所定労働時間(8:00)を超過していないため
法定内残業時間には計上されず、普通労働時間として計上されます。
週の途中で月跨ぎある月の締め処理は、該当週の勤務が完了してから行ってください。
スケジュール軸(パターン2)では1週間の勤務実績を元に法定内残業時間の打ち消しを行っています。
そのため、週の労働が完了していない状態で締め処理を行うと残業時間の打ち消しが発生せず、
法定内残業時間が多く集計される場合があります。
上記例の場合、4/4(木)に締め処理を行ってしまうと打ち消しが発生せず
3/31(日)に法定内残業時間が「4:00」発生します。