変形労働時間制の集計のポイントや集計例についてご紹介します。
変形労働時間制の集計は通常の勤務形態とは異なり、
日・週・月それぞれの所定労働時間を超えた値を計算します。
日・週と月で残業時間の計算方法が異なる理由
変形労働時間制は、以下の考え方で残業時間を計算するためです。
- スケジュールを月の法定労働時間内で自由に振り分けることができる
(月の法定労働時間を超過しても残業時間を計算しない というものではない) - 1日を見て、法定労働時間を超えて所定労働時間が割り振られていた場合、
残業時間は所定労働時間を超過した値から計算する - 1日で見て、法定労働時間内で所定労働時間が割り振られていた場合、
残業時間の計算は勤務形態:通常と変わらない - 上記と同じ考えで週の計算を行う
固定の法定労働時間が適用される月計算が変更できる理由
主に、法定労働時間以下で法定外残業代を支給されている企業のために、値を減算可能とするためです。
実際の変形労働時間制の集計例をいくつかご紹介します。
法定労働時間
従業員の勤務形態にてデフォルトで設定されている法定労働時間
日計算 | 08:00 |
---|---|
週計算 | 40:00 |
月計算 | 28日:160時間 29日:165.7時間(165:42) 30日:171.4時間(171:24) 31日:177.1時間(177:06) (0.1時間=0:06) |
日の残業時間計算
ケース1
所定労働時間(スケジュール):6:00
※スケジュールが勤務形態で設定した法定労働時間以下のため
通常の勤務形態と同様に計算されます。
実績A(勤務時間 8:00)
スケジュール内で休憩を取得した場合:法定内残業時間 3:00
スケジュール外で休憩を取得した場合:法定内残業時間 2:00
実績B(勤務時間 9:00)
スケジュール内で休憩を取得した場合:法定内残業時間 3:00+法定外残業時間 1:00
スケジュール外で休憩を取得した場合:法定内残業時間 2:00+法定外残業時間 1:00
ケース2
所定労働時間(スケジュール):8:00
※スケジュールが勤務形態で設定した法定労働時間以下のため
通常の勤務形態と同様に計算されます。
実績C(勤務時間 8:00)
残業時間:0:00
実績D(勤務時間 9:00)
法定外残業時間:1:00
ケース3
所定労働時間(スケジュール):10:00
※スケジュールが勤務形態で設定した法定労働時間を超えるため
日の所定労働時間を超過した時間から残業時間が計上されます。
実績E(勤務時間 10:00)
残業時間:0:00
実績F(勤務時間 11:00)
法定外残業時間:1:00
週の残業時間
月~土のスケジュール:10:00~19:00(休憩1時間)
週の所定労働時間:48時間
※日と同様の計算方法を行います。
週単位で見た際、スケジュールが勤務形態で設定した法定労働時間を超えるため
週の所定労働時間(スケジュールの合計時間)を超過した時間から残業時間が計上されます。
実績G(勤務時間 48:00)
残業時間:0:00
月の残業時間計算(31日の場合)
所定労働時間(スケジュール):8:00
月の所定労働時間:184:00
実績H(勤務時間184:00)
法定外残業時間:6:54
(勤務時間-月の法定労働時間177.1)